青酎は伊豆諸島の青ヶ島でつくられる焼酎です。「東洋のマチュピチュ」と呼ばれる日本一小さい地方自治体の貴重な産業で、独特な香ばしさが印象的でした。
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東京の焼酎である「青酎」
東京の酒と言えば「澤乃井」や「多満自慢」といった日本酒が有名ですが、焼酎のイメージはないと思います。しかし東京でも伊豆諸島の南端で焼酎がつくられているのです。
青ヶ島は東京都心から約360㎞南に位置する火山島で、高さ1100mの海底火山の山頂部分だけが海面上に露出しています。周囲を外輪山の断崖で囲まれており、114世帯で161人(2024年10月1日時点)という島民のほぼ全員が標高100メートル以上の高台に居住しています。そのため「東洋のマチュピチュ」と呼ばれています。
島で唯一の港は島から桟橋が海に突き出したような構造で防波堤がなく、八丈島からの連絡船は太平洋の荒波にさらされ続けます。接岸したものの船の大揺れが治まらず、乗客も積荷も降ろせず引き返してしまうということも決して珍しくないようです。
人口161人の島に10人の杜氏
産業の少ない青ヶ島では島外に出稼ぎに行く男たちが多く、残された女たちは庭先で酒をつくって帰りを待ちわびたといいます。その製法は代々子供たちに受け継がれて今では島の貴重な産業となっており、人口161人の島内に10人の杜氏がいます。
青酎は青ヶ島産の芋そして青ヶ島産「純生麦」から造った麦麹からつくられた焼酎で、5年以上じっくりと寝かせます。アルコール度数は35度と高めで、南海の孤島の酒らしくワイルドな味わいを楽しむことができます。
麦麹を作る際に麦を干して炒り、それにより独特な香ばしさが生れます。サツマイモを掘ったらすぐに洗い、水と麹を合わせて発酵させます。ここでじっくりと時間をかけることによりあの独特の風味となるのです。
それぞれの杜氏が独自の工夫をしているだけおり、杜氏の数だけ違う味を楽しめます。しかし高齢化や後継者不足は深刻で、継続が困難となっているものもあります。
青酎はそれだけ貴重な酒なのです。
日本各地の焼酎(記事は下に続きます)
5通りの飲み方で評価してみた
ストレート
ほのかな山吹色で、香ばしい香りが漂っています。口当たりは滑らかですが若干のピリピリ感があり、鋭い甘さと香ばしさを感じました。アルコール度数は35度ですが、40度にも45度にも感じます。
ロック
香ばしい香りは変わりませんが、味わいは柔らかくなりました。ピリピリ感が無くなり、甘さや香ばしさもほのかなものに変わっています。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
全体的にさらりとしたものになりました。スッキリとした甘さと香ばしさが感じられます。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
水のように飲みやすくなりましたが、しっかりとした味わいは残っています。香ばしさもさらっとしたものになりました。
お湯割り
味わいの分厚さが復活し、重厚な甘さと香ばしさが感じられるようになりました。ピリピリとした刺激も蘇っています。
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