今回はベル スコッチウィスキー オリジナルをご紹介します。一本1000円台前半のウィスキーを買うのは博打に近いものがあり、飲むときはいつもどぎまぎしていますが、スモーキーで力強い味わいはいかにもスコッチそのものであり、「当たり」であったのではないかと思います。
英国でナンバーワンのマーケットシェアを保持する
ベルはアーサー・ベル&サンズ社によって製造されており、ハイランド地方ブレアソール蒸留所で造られたキーモルトを中心に30以上の原酒をブレンドしています。
アーサー・ベル&サンズ社が始まったのは1845年になりますが、このときスコットランドのパースにあったトーマス・サンマンという酒屋に、アーサー・ベルが共同経営者として参加しました。
後世に「稀代のブレンダー」と称されたアーサー・ベルが、自らの名を冠したベル スコッチウイスキーを世に送り出し、1863年にロンドンに販売代理店を開きます。ベルのウィスキーは確固たる地位を確立して世界中に売り出され、1960年代以降、ベルスコッチは英国でナンバーワンのマーケットシェアを保持し、それに加えて1983年には英国女王陛下特別輸出奨励賞を受賞します。
「稀代のブレンダー」アーサー・ベルの姿が今も残るラベル
モルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドするという手法はアーサー・ベルの時代には既に存在していましたが、当時のブレンドは未成熟のモルトとグレーンを数種類ブレンドさせたものに過ぎませんでした。
アーサー・ベルには「数種類の良質なモルトとグレーンをブレンドすればシングルモルトより多くの人々の口に合う」という信念があり、そこから作り出されたウィスキーは今までになかったものでした。
アーサー・ベルの姿は現在でもラベルに描かれています。
彼には乾杯の際に「Afore ye go」(汝らいざ進め)という口癖があり、その言葉はボトルのネックラベルに記されています。
ストレート
最近飲んだスコッチの中でも最もスモーキーさが際立っているように感じます。全体的に滑らかな口当たりですが分厚くて力強い味わいで、ドライというよりもむしろ潮からさのような風味も感じました。
ロック
通常ドックにするとスモーキーさは薄れるのですが、ベルは氷を入れてもスモーキーでした。しかしドライさの奥から甘さが出てきたように感じます。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は南アルプスの天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水で割るとさらりとしてきましたが、強靭さはそのまま残っています。甘さも感じられますがスモーキーさの方が勝っており、潮からい風味もまだ残っています。
ハーフロック(1対1で氷を入れる水割り)
トワイスアップに氷を入れると一気にサラサラした口当たりになりました。最大の特徴であったスモーキーさもかなり柔らかくなっています。
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームで作った完全に私好みの炭酸水を使用します。
元々の強靭な味わいがすっかり影を潜め、ぼやけてしまったという印象です。
スモーキーで力強い味わいが印象的だった
とにかくスモーキーで力強い味わいが印象的な超個性的なスコッチで、1000円台前半とはとても思えませんでした。キーモルトを製造しているのがスコットランド最古の蒸留所の一つとされるハイランド地方のブレアソール蒸留所ですが、これがスモーキーさと同時に感じた潮の風味と関係あるのかもしれません。
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