テキーラのクエルボ・エスペシャルは冷凍庫で一昼夜キンキンに冷やすと味が引き締まってスイスイ飲めるようになりました。常温では「インドの青鬼」を思わせる強烈な風味で目がしょぼしょぼしてきます。
メキシコ政府の基準で厳格に管理されている
テキーラはメキシコ中部のハリスコ州とその周辺で生産される蒸留酒です。竜舌蘭と呼ばれるアロエに似た植物(アガベと呼ばれている)の球根部分を掘り出して加熱し、すり潰して絞り出した汁を発酵させて蒸留した酒で、ウォッカ・ジン・ラムと共にスピリッツの一つに分類されています。竜舌蘭をサボテンの一種としている資料もありましたが、竜舌蘭とサボテンは異なる植物であるようです。
アガベの収穫から瓶詰めに至るテキーラの生産過程全般がメキシコ政府の定める公式の基準に従って行われており、全てのテキーラメーカーはテキーラ商工会議所の主導の下に設立されたテキーラ規制委員会(CRT)の認証を受けなければならないと定められています。
テキーラのラベルにはメキシコ公式規格である「NOM」のイニシャルとテキーラ規制委員会の認証である「CRT」のイニシャル、それに加えて4桁の番号が印刷されています。
220年以上の歴史を持つ酒
クエルボ・エスペシャルはホセ・クエルボ社が製造するテキーラで、日本ではアサヒビールが輸入販売しています。
1758年にセ・アントニオ・クエルボが当時のスペイン王であるフェルナンド6世からメキシコのハリスコ州の土地を入手してアガベの植樹を認可されます。クエルボ家はその地を開拓して栽培を拡大し、1795年にホセ・マリア・グアダルーペ・クエルボがスペイン王カルロス4世からテキーラの商業製造・販売を認める最初のライセンスを交付されました。
これがホセ・クエルボ社の創業であり、現在ではグローバルブランドとして世界90カ国以上で愛されるまでになっています。
そのままで飲んでみた
テキーラを試してみるのはこれが初めてであり、手探り状態でのスタートです。
ストレート
薬草風味でクセがあり、全体的に薄ぼんやりとしていながら味も香りも重厚で、飲んでいて目がしょぼしょぼしてきました。IPA(インディアン・ペールエール)の「インドの青鬼」を思わせる味で、チェイサーが必須です。
ショットに塩+ライム
テキーラは塩やライムと一緒に楽しむのが本場メキシコの伝統的な飲み方のようです。まず塩を舐め、口の中にライムを絞ってからクエルボのストレートを飲んでみました。しかし普通のストレートと特に違いは感じませんでした。
ロック
味の角が取れて丸くなり、かなり飲みやすくなったようです。しかし「インドの青鬼」を思わせる独特な風味は健在です。
冷凍庫でキンキンに冷やすとスイスイ飲める
飲んでいて「眼がしょぼしょぼ」してくるというのが第一印象で、あまり好きになれそうにありません。
そこでふと思い立ち、一昼夜冷凍庫に入れてキンキンに冷やしてみることにしました。
ストレート
冷凍庫でキンキンに冷やすと味が引き締まり、薄ぼんやりとしていたものが一気にシャキッとしたものに激変しました。酸味のあるドライという印象であり、チェイサー不要でスイスイ飲めます。
ショットに塩+ライム
独得のクセが消え、甘味と酸味が感じられるようになりました。
ハイボール
グラスにテキーラと炭酸水を1:1で混ぜ、手でグラスに蓋をしながらテーブルに叩くように置き、炭酸の泡を吹き出させながら飲む「ショットガン」という飲み方がYouTubeで紹介されていましたが、自分でやってみると全くうまくいきません。そこで某元グルメタレントのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった私好みの炭酸水を使用したハイボールを試してみました。
苦みと酸味を感じましたが、それ以外特に印象は残っていません。
冷凍庫でキンキンに冷やすべし
常温の時と冷やした時では味に雲泥の差がありました。クエルボは冷凍庫でキンキンに冷やしてから飲むべきです。