ブラックニッカディープブレンドは近年勃発したウィスキーブームに伴って発生した原酒不足に対応した「ノンエイジウィスキー」です。45度という高いアルコール度数が特徴で、ハイボールが最も適していたように思います。
ヘビーユーザー向けのブラックニッカ
ブラックニッカディープブレンドはブラックニッカクリア、ブラックニッカリッチブレンドと並んで「ブラックニッカ3兄弟」的な商品で、現在販売中の商品の中では最も新しく2015年に誕生しました。
ブラックニッカは言うまでもなくニッカウィスキーの超主力商品で、1956年(昭和31年)に誕生して現在まで綿々と続く歴史と伝統を兼ね備えたブランドです。アルコール度数が37度のクリア、40度のリッチブレンドに対してディープブレンドは45度と高く設定されており、ヘビーユーザー向けの商品とされているようです。
HP等を見ても現在ニッカが最も力を入れて売り出そうとしているようであり、ほとんど記述のないブラックニッカスペシャルとは扱いがまるで違いました。
原酒不足に対応した「ノンエイジウィスキー」
ブラックニッカディープブレンドは近年になって突如勃発したウィスキーブームに伴って発生した原酒不足に対応した商品です。
日本では1950年代に洋酒ブームが発生し、その中で水割りやオンザロックといった多様な飲み方が定着して1983年までウィスキーの販売量は増加し続けます。しかしその後減少傾向となり2007年にはピーク時の何と6分の1となってしまいました。
ところが2008年にサントリーが「角ハイボールプロジェクト」を展開すると角瓶の生産調整が必要となるほど販売量が増加し、さらに2014年9月から2015年3月までニッカをモデルにしたNHKの朝ドラが放映されると竹鶴の販売量は前年対比39%増となりました。
こうなると当然のことながら長期熟成した原酒が不足します。ニッカはそれにより緊急対応として商品ラインアップの全面変更を余儀なくされ、ラベルに熟成年数を表記しない「ノンエイジウィスキー」ばかりとなってしまいました。
終売となった「ブラックニッカ8年」に変わって市場に登場したのがブラックニッカディープブレンドです。HPの商品紹介では「当商品には一部輸入原酒を使用しています」と赤字で記されていることから、原酒不足の影響はまだまだ続いているようです。
ニッカの商品
ストレート
アルコール度数が45度と高いせいか、分厚く濃厚な味と香りです。フルーティーなのか薬っぽいのか、香ばしいのかドライなのか、アルコールの刺激が強くてこの時点ではよくわかりません。飲み込むと喉が熱くなります。
ロック
ロックでも大変に重厚で強く、トロリとした口当たりです。この独特な味わいはドライと言ってもいいのかもしれません。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は箱根の森の天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水で割ってもかなり強めですが、それでも劇的に柔らかくて滑らかな口当たりになりました。しっとりとした味わいです。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
ストレートの時とは全く違う口当たりで、ほんのりとした味わいになりました。ストレートに比べてかなり柔らかくなりましたが、薄まったという感はありません。滑らかなドライというのが正直な印象です。
ハイボール
いろいろ試しましたが、これが最も私には向いているようです。
炭酸の甘みと酸味によって辛さと濃さが適度に調和され、シャキッとしたいい感じの味わいになりました。辛さは全く感じません。
ディープブレンドはハイボールに限る
当初は45度という高いアルコール度数からくる強さと分厚さには驚かされましたが、ハイボールで印象が一変しました。私個人としてはこの飲み方しかないと思います。
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