ジムビームデビルズカットは独特のほろ苦さが印象的です。熟成の際に樽にしみこんだ原酒を独自の手法で取り出してブレンドするという、全く独自の方法で生産されたバーボンで、悪魔から奪った「取り分」はこのほろ苦さでした。
ウィスキーはオーク製の樽に貯蔵して初めて熟成する
蒸留が終わったばかりの生まれたてのウィスキーは無色透明で味もまだまだ荒々しく、これを樽に詰めて貯蔵・熟成することにより、次第に琥珀色に染まって味も深くまろやかなものに変わっていきます。
ガラス瓶やステンレスの容器に入れてもウィスキーは一切変化しません。ウィスキーを熟成させるためにはホワイトオークの樽に貯蔵しなければいけないのです。
内側を焦がしたオーク樽に詰めて貯蔵することにより木の成分がウィスキーに溶け出し、また樽が呼吸することによって外気と接することになります。ここから発生する化学反応によってはじめて熟成が進むのです。
悪魔に何も残してやらないジムビームデビルズカット
バーボンウィスキーでは一度使った樽の再利用は禁止されているので、新樽を使用することになります。ここでジムビームでは原酒と樽とが接する割合が高く、熟成が早く進む小さめの樽を使用しています。
貯蔵・熟成の期間中、ウィスキーは少しずつ量を減らしていきます。空気中に蒸発してしまう分は「天使の分け前」と呼ばれ、年間約2%の割合で失われていきます。一方で
樽材にしみ込んで熟成後も微量に残る原酒を「デビルズカット」(悪魔の取り分)と呼びます。
ジムビームデビルズカットは樽にしみこんだ原酒を独自の手法で抽出し、長期間熟成したバーボンとブレンドしたものです。つまり悪魔の取り分まで奪ってしまった大変に大胆な酒なのです。
ストレート
トロリとした口当たりで、メントスのようなミントの効いた甘さが印象的ですが、一方で独特のほろ苦さを感じました。45度とアルコール度数は高めですが、それは全く感じません。
ロック
氷を入れることで和らぎましたが、トロリとした口当たりはそのままです。甘さとほろ苦さが共存しています。
水割り
次に水で割ります。
合わせる水は「箱根の森の天然水」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
ストレートで感じた強烈さが見事に和らぎ、最も味の分かる飲みやすさになったように感じます。ふんわりとした口当たりでサラサラとしたほろ苦さを感じました。
ハーフロック(1対1で氷を入れる水割り)
随分と柔らかくなりましたが、それでもほろ苦さはしっかりと残っています。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームを使用して作った完全に私好みの炭酸水を使用します。
炭酸の甘み、酸味がほろ苦さを引き立てていて、なかなか素敵な味わいです。
悪魔から奪った「取り分」はほろ苦さだった
飲んでみて印象に残っているのは全ての飲み方の中で一貫して感じられたほろ苦さです。バーボンでは通常感じられない味わいで、これが悪魔から奪ってしまった「取り分」なのかもしれません。
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