ダンヒル・オールドマスターは超高級ブランドとして知られるあのダンヒルがつくったウィスキーです。色と香りの濃さが印象的で、飲んでみると口当たりがよく大変に滑らかな味わいでした。
あのダンヒルがウィスキーをつくっていた
ダンヒルは1880年に馬具専門製造卸売業として創業したイギリスのブランドで、後に衣類や小物の製造にも乗り出します。まだまだ馬車が移動の主流だった時代に自動車が普及することを見越して自動車旅行用品も数多く売り出し、「エンジン以外なら何でも揃えている」と言われるほどだったといいます。
現在ではスーツなどの衣類を中心に、バッグや財布などの革製品、カフリンクスやライターなどのアクセサリなど、男性向け超高級商品を製造販売しています。2000年からはサッカー日本代表のオフィシャルスーツも提供しているといいます。
そんなダンヒルがウィスキーを製造しているのをご存じでしょうか。
ボトルが左右で非対称な理由
世界有数の酒類メーカーであるIDV社と提携してダンヒルがウィスキー造りを始めたのが1982年で、その際にIDV社のマスターブレンダーであるジェームズ・ミルンが受けた指示は「たとえ費用がどうかかろうと、最高のスコッチウィスキーを製造すること。」だったそうです。
そこで12〜20年もの間熟成されたモルトをベースに30種類以上の原酒を最高の職人芸のもとでブレンドし、誕生させたのがダンヒル・オールドマスターです。
こちらのラベルデザインは初期の頃のもので、1980年代後半からはdとhとlが縦に長いダンヒルのおなじみのロゴに変わります。ボトルは1845年にデザインされたものの復刻版で、当時はガラスの精度が低く暖炉に向いていた側が溶けてしまったことまで忠実に再現しています。そのためボトルの肩の部分が左右で非対称になっています。
たまたま入ったリサイクルショップにあった
「BARレモン・ハート」第9巻で取り上げられていて私も随分と以前からダンヒルのウィスキーが存在することは知っていたものの、酒売り場の棚で見たことはこれまでついぞ一度もありませんでした。それが気まぐれでたまたま入ったリサイクルショップの酒コーナーに置かれていたのです。その場のひらめきというのは大切なのかもしれません。
封こそ切られていないものの、ボトルのエンブレムが一部破損しており、全体的に古さがにじみ出ています。恐らくどなたかの自宅の棚で10数年放置されていたのでしょうが、私に買われた以上はすぐに飲まれてしまう運命にあります。
経年劣化でコルクがボロボロになっており、栓を抜く際にちぎれてしまいました。そのためコルクをボトルの中に突き崩し、グラスに注ぐ際は茶こしを使うことにします。
伝統のスコッチウイスキー
ストレート
色も香りも驚くほどの濃さです。しかし飲んでみると口当たりが滑らかで、驚くほどマイルドな味わいでした。ウィスキーというよりブランデーのような風味で、昔ちょっとだけ飲んだレミーマルタンを思い出しました。
ロック
クセがなくスーッとのどに流れ込んできます。ぶどうのようなフルーティーさでほんのりほろ苦さもあり、後味が爽やかですっきりとしています。
水割り
次いで水で割ります。合わせる水は箱根の森の天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
完全にブドウを思わせるフルーティーな味と香りです。丸みのあるって舌がとろけそうな味わいでした。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
やたらスッキリとした味わいですがコクもあり、滑らかな口当たりでのどに流れていきます。水で割っているとはいえ、とても43度の酒とは思えません。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているようです。
このような超高級酒をハイボールで飲むことに少々罪悪感がありましたが、グレープジュースに似た程よい後味で案外いけるかもしれません。
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