グレンフィディック12年はスコッチの中でも代表的なシングルモルトウィスキーです。いろいろな飲み方を試してみましたが、全体的に男性的な力強い味わいが特徴でした。
シングルモルトウィスキーとは
ウィスキーの原酒は大きく分けでモルトウィスキーとグレーンウィスキーの2つに分かれます。モルトウィスキーは大麦の麦芽を発酵させ、単式蒸留器で2回蒸留して樽で貯蔵したものです、一方グレーンウィスキーはトウモロコシや小麦などの穀類と麦芽を原料として発酵させ、連続蒸留器で蒸留し、これもまた樽で貯蔵したものです。
そしてスコッチウィスキーにはシングルモルトウィスキーとブレンデッドウィスキーの2種類があります。シングルモルトは同一の蒸留所のモルトウィスキーだけを使用したウィスキーで、ブレンデッドは複数のシングルモルトとグレーンウィスキーをブレンドしたものです。
蒸留を終えたばかりの原酒は無色透明で、樽に入れて貯蔵していく中で木の成分とウィスキーの成分が反応して琥珀色に熟成していきます。ですからガラス容器に何十年も入れていても熟成は全く起きません。すでに書いたように樽は呼吸しますから貯蔵庫が置かれた場所の気候風土はウィスキーの品質に重大な影響を及ぼします。
また同じ蒸留所内でも樽の性格はそれぞれ違いますから、樽ごとに違う味わいになります。味のばらつきを防ぐため同一蒸留所内の複数のモルトをあえて混ぜ合わせたものがシングルモルトウィスキーなのです。それでも各蒸留所によって全く異なる味わいとなります。
グレンフィディックとは
グレンフィディック12年といえばやはりこの緑色の三角のボトルが印象的です。(以前から少し変わった。)すでにご紹介した「グランツファミリーリザーブ」と同様にウィリアム・グランド・アンド・サンズが所有するグレンフィディック蒸留所で製造されています。
グレンフィディック蒸留所が設立されたのは1886年です。数多くの小規模の蒸留所が買収されたり廃業したりした1960年代から70年代にかけての激動の時期、生き残りを賭けてプレミアムブランドとしてシングルモルトを売り出しました。狙いは成功して2015年にグレンリベットに抜かれるまでは世界一の売り上げを誇るシングル・モルト・ウイスキーとなり、現在でも世界180か国で販売され、シングルモルト売り上げの35%を占めるまでになっています。
ストレート
グレンフィディックといえば「フルーティー」というイメージがありましたが、実際に飲んでみると意外なほど重厚で強めの味でした。男性的な強い味の奥にフルーティーが隠れているような印象です。
ロック
強め濃いめの「男のウィスキー」という印象だったストレートに対し、ロックにすると一転してトロリとした滑らかな口当たりとなり、当初のイメージ通りのフルーティーな味わいとなりました。
水割り
次いで水で割ってみます。
合わせる水は横浜市の水源のひとつである道志川の清流水を詰めた横浜市オフィシャルウォーター「はまっ子どうし The Water」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない)
ストレートの時よりさらに滑らかになりました。流れるように喉を流れ、飲み込むと口の中に良い香りが漂います。どことなくフルーティーです。
ハーフロック
サラサラしていてほんのりとした甘さを感じます。フルーティーさに加えてスモーキーさも感じられるようになりました。
ハイボール
某元グルメタレントのCMで有名なソーダストリームを使用して作った完全に私好みの炭酸水を使用します。
炭酸の甘みや酸味が加わることによりスッキリとした味となり、その代わりにフルーティーさはどこかへ行ってしまいました。そうは言っても当初の重量感はしっかりと残っています。
男性的な力強い味のウィスキーだった
シングルモルトといえば繊細な酒というイメージでしたが、誠に意外なことに男性的な力強い味わいのウィスキーでした。以前飲んだ際は氷を入れたら全てぶち壊しになったような記憶があるのですが、そのようなやわな酒ではありませんでした。グレンフィディックの味が変わったのか私の味覚が変わったのか、その辺はよくわかりません。
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