「百年の孤独」は宮崎の麦焼酎で、今上天皇が皇太子時代に愛飲した酒と言われています。生産本数が少なく人気に追い付いていないためなかなか目にすることができない酒です、しっかりとした甘さと香ばしさが印象的な酒でした。
老舗酒造メーカーの「自然循環農法」
黒木本店1943年(明治18年)の創業以来ひたすら焼酎造りに徹してきた老舗の酒造メーカーで、全国屈指の日照時間を誇り、良質な湧水にも恵まれている宮崎県児湯郡高鍋町に蔵を構えてきました。「大地と一体となる焼酎造り」を理念に掲げ、広大な自家農場を舞台としてサイクルを回す「自然循環農法」の中で焼酎造りを行ってきました。
40ヘクタールもの畑で芋や麦、コメといった原材料を栽培し、それらを原材料として焼酎をつくります。製造過程で生じた焼酎粕や廃液は有機肥料として農地の土づくりや原料農作物などの育成に使用され、こうして自然の恵みを自然に還すなかで焼酎造りが進んでいきます。
また焼酎造りに欠かせない水は近くの山から流れ出る川の伏流水をろ過して使っています。
天皇が皇太子時代に愛飲した酒
百年の孤独のコルクのラベルと茶色の包み紙は有名で、実物を見たことがなくても知っているという人は多いのではないでしょうか。ラベルの下には英文で説明が書かれています。
ボトルの裏側には和文で説明が書かれています。
蒸留後にそのまま瓶詰めして出荷される一般的な焼酎と異なり、原酒をホワイトオークの樽に詰めて貯蔵熟成し、3年もの・4年もの・5年ものをブレンドしたものが百年の孤独になります。
ブレンド用の麦焼酎が余ったので試しに3年間寝かせたところ想像していた以上においしかったというのがきっかけだったそうで、商品化したところ空前の人気となりました。今上天皇が皇太子時代に愛飲していたとも言われています。
生産本数が少なく人気に追い付いていないようで、BARレモンハート酒大辞典では「宮崎の空港の売店等では小売りもしているようだが、他地方では取り扱っている飲み屋やBARへ行かないとなかなか飲めない」と書かれています。私もこれまで一度も見たこともなかった酒ですが、なぜか琴平のマルナカには大量に並んでいました。
しっかりとした甘さと香ばしさが特徴
オーク樽に詰めて貯蔵熟成していることもあって百年の孤独は薄い琥珀色となっており、全体としてほのかな甘みとしっかりとした香ばしさが特徴となっていました。アルコール度数は40度で焼酎としては高めです。
ストレート
きつめの香りが漂っています。一口飲むと刺激的な甘さと麦の香ばしさが口いっぱいに広がり、二口目にはそれだけではないコクを感じました。
ロック
氷を入れると口当たりが一気に滑らかになり、香りにも香ばしさが感じられるようになりました。全体的にすっきりとした味わいで、甘さと香ばしさが豊かに感じられます。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
ふわふわとした甘さで、香ばしさもしっとりとしたものになりました。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
甘さも香ばしさもほんのりとしたものとなり、すっきりとした味わいとなっています。
お湯割り
お湯の熱により味が活性化して甘さが膨らみ、香ばしさもしっかりとしたものとなりました。