アイラミストを5通りの飲み方で評価しました。アイラ島の領主の誕生パーティーのために1922年に開発されたスコッチウィスキーで、いかにもアイラ島らしい分厚いスモーキーさに驚かされますが、その一方で甘さやスッキリさもあって通好みだが飲みやすい味わいとなっています。
アイラ島を象徴する気候である「霧」
アイラミストはスコットランド西部のアイラ島で製造されるスコッチウィスキーです。
大西洋に面したアイラ島はメキシコ暖流の影響により温暖湿潤で年間気温の変動が小さく、ウィスキーづくりに適した環境となっています。各地でピートを産出していることもあって島内では8つの著名な蒸留所が稼働しており、淡路島とほぼ同じ面積の島でありながら世界を代表するウィスキーの産地となっています。
人の手があまり入っていないことから「スコットランドで最も美しい島」とも呼ばれており、湿った空気が海で冷やされることにより霧が度々発生し、これがアイラ島を象徴する気候です。
領主の誕生パーティーのために開発されたスコッチ
アイラミストはアイラ島の領主であったマルガデイル卿の生誕21年を祝い、1922年に誕生したブレンデッドウィスキーです。
当初は島を代表するシングルモルトであった「ラフロイグ」をパーティーの出席者に振舞う予定でしたが、より飲みやすいものを提供するためにいくつかのブレンデッドウィスキーを試作し、その中で生まれたのがアイラミストです。「ラフロイグ」にスペイサイドのモルトとグレーンをブレンドし、アイラ島のウィスキーであることを連想させるために島の名物である「霧」を商品名としました。
ラベル中央の印象的なマークはアイラ島の大紋章で、ノルマン人との戦いで勝利を収めた島々の君主の祖フィリィ・ドナルディと3人の息子達が描かれています。
日本では一般的な販売ルートに乗っていないようであり、新宿のヨドバシカメラの酒売り場で初めて見かけました。8年、10年、21年等々様々な商品がありますが、今回ご紹介するオリジナル・ピーテッドは2000円台前半という価格帯で、比較的ライトなピート香が特徴なのだそうです。
5通りの飲み方で評価してみた
ストレート
ティーチャーズを濃縮させたような分厚いスモーキーさが印象的です。色は比較的薄めであるにもかかわらず味と香りは強烈で、飲み込むと喉が熱くなります。その一方でスモーキーさの陰に甘さもあり、それに加えて切れの良いスッキリ感もありました。
ロック
ストレートで感じたスモーキーさに加え、氷で冷やすことによりトロリとした甘さが感じられるようになりました。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は横浜市の水源のひとつである道志川の清流水を詰めた横浜市オフィシャルウォーター「はまっ子どうし The Water」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
スモーキーさに加え、爽やかな甘さが感じられるようになりました。ジョニ黒に似てきたように思います。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
水で割ってもしっかりとしたスモーキーさは残っており、甘さもさらっとしたものになりました。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった私好みの炭酸水を使用します。
炭酸で割ることにより甘味・酸味に加えてほろ苦さが感じられるようになり、一気に軽い味わいとなりました。
分厚いスモーキーさと飲みやすさが醍醐味
アイラ島のスコッチは通好みで一般には飲みにくいというイメージを持っていましたが、アイラミストは分厚いスモーキーさがありながら甘さとスッキリ感のある飲みやすいウィスキーだったと思います。もう少し手に入りやすくならないものかと思います。
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