アイリッシュウイスキーのジェムソンは地元の原材料のみを使用し、240年以上にもわたって伝統的製法を守ってウイスキーづくりを続けてきました。5通りの飲み方を試してみて、ハイボール(ジェムソンソーダ)が最も適した飲み方でした。
厳しい状況のアイリッシュウイスキーを支えるジェムソン
アイルランドはスコットランドとともにウイスキーの起源と呼ばれる場所であり、一時期は国内に数百の蒸留所を構え、世界のウイスキーのシェアの6割を占めていた時期もありました。しかしアメリカで禁酒法が制定されたことに加え、イギリスから独立を達成した報復として英国の経済圏から締め出されたことにより生産規模が大幅に縮小してしまいます。
さらに第二次世界大戦に際しては国内の供給を確保するため輸出を制限したことで戦場のアメリカ兵にはスコッチウイスキーが供給され、それによりアメリカ市場における優位性を失ってしまいました。
こういった事態が続いた結果、かつて国内に数百あった蒸留所は統合を繰り返して現在は大幅に減少しています。そのような厳しい状態の中で世界5大ウイスキーの一つであるアイリッシュウイスキーを世界に広めているのがジェムソンなのです。
伝統製法を守ったウイスキーづくり
アイリッシュウイスキーの製法の特色としては麦芽を乾燥させる際にピートを使用しない、単式蒸留器を使用して蒸留を3回行う、という2点が挙げられます。
早くからウイスキーづくりが巨大産業となったアイルランドではピートの乾燥に石炭や木材を使用しており、それによりアイリッシュウイスキーはスモーキーさのないまろやかで飲みやすい味になります。またあえて時間をかけて蒸溜を繰り返すことで原料の風味を残しつつ、その一方で口当たりが滑らかなウイスキーを生み出すことが可能となりました。
1780年にジョン・ジェムソンの手により創業したジェムソンは蒸留所周辺で収穫された大麦と敷地内を流れる川の水を使用し、伝統的な製法を守ってウイスキーづくりを続けています。それによりアイリッシュウイスキーの代名詞的存在となったのです。
ハイボール(ジェムソンソーダ)が最高の飲み方
ウイスキーを炭酸で割る飲み方をハイボールと呼びますが、ジェムソンの場合は特に「ジェムソンソーダ」と呼ぶようです。5通りの飲み方を試してみて、このジェムソンソーダが最適であるように感じました。
ストレート
ピートを用いていないためスモーキーさは全くありません。カナディアンクラブに似た風味で、ほんのりとした香りを感じました。しっとりとしたまろやかな口当たりで、カラメルのような甘さです。
ロック
氷を入れることによりストレートでは感じなかった香りが出てきました。まろやかな口当たりの甘さと、後味として独特なほろ苦さも感じられるようになりました。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は南アルプスの天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
香りが膨らみました。ふんわりとした口当たりで飲みやすく、するするとのどに流れこんでいきます。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
スッキリさらさらした口当たりです。氷を入れて冷やした結果味が引き締まり、ぶどうに似た甘さを感じられるようになりました。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているようです。
ジェムソンを炭酸で割る飲み方を「ジェムソンソーダ」と呼ぶようです。ウイスキー本体のすっきり感が炭酸とぴったり合っており、バランスの取れた最高の味わいとなりました。
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