木挽BLUEは世界で初めてそば焼酎を造った雲海酒造㈱が手掛ける芋焼酎で、名水百選である「綾の湧水群」の水と「黄金千貫(こがねせんがん)」、「日向灘黒潮酵母」を使用して昔ながらのこだわり製法で造られています。飲んでみるといかなる飲み方でも崩れない力強い味と香りが印象的でした。
そば焼酎を発明した会社がこだわり製法で造った芋焼酎
宮崎県宮崎市に本社を置く雲海酒造㈱は世界で初めてそば焼酎を造った会社として知られており、その他にも様々な焼酎、梅酒、清酒、ワイン、地ビール等々、幅広い商品を展開しています。そんな雲海酒造㈱が手掛ける芋焼酎の代表ブランドが木挽BLUEで、宮崎県中西部に位置する綾町に設けられた蔵で製造されています。
綾町は宮崎平野が九州山地にぶつかるような地形で、国内最大級の照葉樹林に街の総面積の約8割が覆われています。宮崎と言えば「日本のひなた」と呼ばれるほど太陽のイメージが強い地域ですが、一方で九州一雨が多い地域でもあり、大量に降った雨水は枯葉地層でろ過され、一度大地にしみこんでから名水百選「綾の湧水群」として湧き出します。
ミネラル分を豊富に含んだ水は酵母を活性化させるため焼酎造りには無くてはならないもので、でんぷん質が豊富で本格芋焼酎に適した「黄金千貫(こがねせんがん)」、宮崎県日向灘で採取された「日向灘黒潮酵母」とあわせ、昔ながらのこだわり製法で造られたのが木挽BLUEです。
「木挽」とは何か?
「木挽」とは木材を大鋸で挽き切ることであり、またそれを職業とする人のことを指します。近代になって製材には機械が導入され始めますが、手作業での製材作業および作業者は引き続き「木挽」と呼ばれます。そして現在では「木挽」といえば卓越した木材の鑑定能力をもつ職能集団のことを指すまでになったといいます。
木挽BLUEのラベルを見ると、青地に金文字で「木挽」と書かれた裏側に大きな切り株が描かれています。なぜ焼酎のブランド名が「木挽」であり「BLUE」なのかについてはいくら調べてもわかりませんでしたが、蔵が位置する綾町の日本一の照葉樹林で働く人々に関係していると考えてもあながち的外れではないと思います。
いかなる飲み方でも崩れない力強い味と香り
木挽BLUEは芋焼酎特有の力強い味と香りが特色となっており、氷を入れても水で割っても決して崩れない強靭な甘さが印象的でした。
ストレート
グラスに注いだ時に芋の香りがプンプンしてきます。柔らかな口当たりで酸味を伴った甘さが感じられました。
ロック
サラサラとした氷砂糖のような甘さで、それでいて口の中で後味が膨らみます。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
一団と滑らかな口当たりになりました。水を加えることでのびていますが決して薄まったというものではなく、つけ麺のつけ汁にスープ割を加えたような感覚です。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
スイスイ飲めます。上質の日本酒に「水のよう」「飲みやすい」という形容詞がよく付けられますが、それに似ています。
お湯割り
熱で味が膨らみ、ややとんがった甘さになりました。