今回は琉球泡盛の「KUMEJIMA'S KUMESEN40(クメジマズクメセンフォーティー)」をご紹介します。アルコール度数40度と高めながら手頃な価格の一般酒で、氷砂糖のような強めの甘さが印象的な酒でした。
なぜ「久米島の久米仙」なのか
久米島は沖縄本島から西に約100㎞離れた沖縄諸島で最も西にある島で、県内では沖縄本島、西表島、石垣島、宮古島に次いで5番目に大きな島です。私自身はプロ野球の楽天のキャンプ地というイメージしかなかったのですが、水に恵まれていることから沖縄でも屈指の稲作地帯となっており、その米と水を使用した酒どころなのだそうです。
「KUMEJIMA'S KUMESEN40」は沖縄県島尻郡久米島町に本社を置く株式会社久米島の久米仙が製造販売しています。沖縄がまだアメリカの統治下にあった昭和24年に創業し、昭和50年に沖縄本島へ出荷、平成15年には全国に販売を開始するなど拡大を続け、現在では県内最大規模の酒造メーカーです。(楽天の新人選手はキャンプ最初の休日に工場見学するのが恒例行事となっている。)
久米仙という名は島の北部にある宇江城岳に住むという仙人の伝説にあやかったもので、那覇市に「久米仙」を生産する久米仙酒造があるため社名に「久米島の」を付けています。(久米仙酒造は久米島と全く関係ない模様。)
アルコール度数40度でも手軽な価格の一般酒
KUMEJIMA'S KUMESEN40の最大の特色は40度という高いアルコール度数にあります。
日本酒のアルコール度数は高くても18度くらいなので日本人は強い酒をストレートで飲むことが苦手で、そのためなのか泡盛や焼酎も25度前後の物がほとんどであるように思います。長期間の貯蔵・熟成を経た古酒の場合は40度以上の物もありますが、古酒は値段が高いこともあって、そう簡単に飲めるものではありません。
琉球泡盛をジンやラム、ウォッカといった世界に冠たるスピリッツに負けない蒸留酒とするため、KUMEJIMA'S KUMESEN40はアルコール度数40度で手頃な価格の一般酒とすることにこだわって造られています。
まるでウィスキーのようなボトルです。ラベルの中央に描かれているのはシーサーでしょうか。
氷砂糖のような甘さが印象的だった
KUMEJIMA'S KUMESEN40は氷砂糖を思わせる強めの甘さが印象的な酒でした。
ストレート
グラスから甘い香りが漂ってきました。40度という度数のせいかトロリとした舌触りで、強めの甘さを感じます。若干ピリピリ感があって飲み込むと喉が熱くなりました。
ロック
まだまだ強めですが、氷を入れることにより滑らかさが増しています。氷砂糖のような甘さですが、香りに若干のクセを感じるようになりました。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水で割ると荒々しさは完全に消えて滑らかな口当たりとなり、柔らかな甘さとなりました。ロックで感じたクセも消えました。
ハーフロック(1対1で氷を入れる水割り)
ここまでくると当初の強さはすっかり影を潜め、サラサラになりました。個人的には物足りなさが残りました。
お湯割り
湯飲み茶わんにまずお湯を入れ、次に泡盛を加えると両社の比重の関係でグラスの中で対流が起き、かき混ぜなくても温度や濃度が一定になります。熱が加わることにより雑味のようなものがなくなり、甘さが一層膨らんで味わいの強さが増しました。