「久米仙ブラック古酒35度」は沖縄県那覇市の久米仙酒造による琉球泡盛で、長期熟成古酒本来の味わいを実現させるため様々な工夫がなされています。飲んでみると滑らかな口当たりと程よい甘さが印象的で、ボトルも中身も高級感が溢れていました。
「なはくめ」と「久米久米」
「久米仙ブラック古酒35度」は沖縄県那覇市を本拠とする久米仙酒造が製造・販売する琉球泡盛です。
沖縄には久米仙を名乗る酒造会社が2つあります。那覇市の久米仙酒造の他に株式会社久米島の久米仙があって、こちらは「久米島の久米仙ブラック5年」や「KUMEJIMA'S KUMESEN40」を扱っています。現地では「なはくめ」・「久米久米」として両者を区別しているようです。
久米島の北部には仙人が住み着いており、夕暮れ時になるとこの地にある井戸を訪れる若者に酒をふるまったという伝説が残されています。「久米仙」はこれに由来するものです。
久米島の久米仙の前身である仲里酒造が発足したのが1949年で、久米島出身の平良正蔵氏により久米仙酒造が創業したのが1952年です。仲里酒造所が1970年に法人化して1993年に社名変更する際、久米仙酒造と区別するために商品名と会社名の両方に「久米島の」を付けました。
長期熟成古酒本来の味わい
蒸留したばかりの泡盛には水とアルコール分以外にさまざまな成分が含まれており、ろ過を行って不要物と余分な成分を取り除いてから貯蔵熟成に入ります。
焼酎は長く貯蔵するとその分だけまろやかな味わいになります。そこで3年以上貯蔵・熟成させた焼酎がブレンド後の総量の50%以上を占める場合、ラベルなどに「長期熟成」や「古酒」と表示して差別化してきました。泡盛の場合はさらに条件が厳しく、2015年から全量が3年以上貯蔵させたものに限って「古酒」を名乗ることができます。
久米仙ブラック古酒35度はできる限りろ過工程を抑えることにより泡盛に含まれる成分を多く残し、貯蔵熟成させて古酒とする過程でそれをコクや香りに変化させ、こうして独自の味わいを実現させました。
琉球泡盛の世界
ボトルも中身も高級感があふれていた
久米仙ブラック古酒35度はフロスト加工が施された高級感あふれる黒のボトルに鮮やかな色彩のラベルが貼られており、久米仙酒造の古酒の中で最も人々に親しまれているといいます。
ストレート
透明ではなく若干黄色味を帯びており、グラスからスッキリとした甘い香りが漂っています。35度とほどほどのアルコール度数であることもあり、若干の渋さをまとった柿のような甘さです。強めの蒸留酒特有の口の中が焼けるような感覚はまったくなく、高級感あふれる味わいでした。
ロック
甘い香りとスッキリとした甘さは変わりませんが、氷で冷やされたことにより香ばしさを感じられるようになりました。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
まろやかの極みです。ノビの良さが印象的で、程よい甘さです。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
しっかりとしたノビがあり、さわやかな甘さと香ばしさが感じられました。
お湯割り
お湯の熱により味がふくらみ、高級感のあるほんわかした甘さとなりました。
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