マティーニの作り方はジンとドライベルモットを混ぜるだけですが、それだけにごまかしが効かず奥深いとされています。材料と道具と材料を揃え、自宅で作って楽しんでみてはいかがでしょうか。
人類史と共にあるカクテル
カクテルとはベースとなる酒に他の酒やジュースといった何か別の物を混ぜて作る飲み物です。(アルコール分を全く含まないか、あるいは1%未満程度しか含まないノンアルコールカクテルというものもあるようですが、当ブログにおいて取り上げるつもりはありません。)
人類が酒と何かを混ぜて飲んでいたのは紀元前の大昔からで、渋くて酸っぱいワインを何とか飲めるようにするため、また腐らせずに長期間保存するために水、海水、石膏、粘土、石灰、松脂、樹脂といった物を添加していたといいます。
中世になるとホットワインがヨーロッパに普及し、人々は鍋で温めたワインにスパイスを加えて厳しい冬をしのいでいたようです。また19世紀末に製氷機が発明されることにより氷で冷やしながら作った近代的カクテルが誕生しました。
1920年に禁酒法が施行されるとアメリカでは工業用アルコールを原料とした粗悪な密造酒が出回るようになります。そのままでは不味くてとても飲めないため人々は様々な酒を混ぜたりジュースを加えるなどの試行錯誤を繰り返し、こういった工夫によってカクテルは発展したともいわれています。
マティーニを自宅で楽しむ
星の数ほどあるカクテルの中でもマティーニは「カクテルの王様」と呼ばれるほど別格の存在で、映画やドラマなどにもよく登場するので名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。
ジンとドライベルモットを混ぜるだけという極めてシンプルなレシピであるだけにごまかしが効かず、バーテンダーの腕がそのまま味に直結してしまいます。レシピはバーテンダーの数だけあると言われており、「カクテルはマティーニに始まってマティーニに終わる」と言われるほど奥深い存在とされています。
そうは言っても材料と道具さえあれば自宅でも簡単に作ることができるカクテルです。
自宅で楽しむためのレシピと作り方
マティーニに必用な物をそろえてみました。マティーニといえばピンに刺さったオリーブがグラスに入っているイメージがありますが、そこまでこだわってはキリがありません。オリーブの役割は単なる飾り付けと聞いたこともあり、今回は省略しました。
混ぜ合わせるジンとドライベルモットは世界の一流バーテンダーが必ず使うというビーフィーターとノイリー・プラット(ドライ)にしました。
ビーフィーターは推奨されている通り冷凍庫でキンキンに冷やしていますが、ノイリー・プラットはボトルが巨大で我が家の冷凍庫に入らないため常温のままです。
ミキシンググラスに氷とジン50ml、ドライベルモット10mlを入れます。
バースプーンで十分にステアします。この時にいい香りが漂ってきました。
蓋をしてカクテルグラスに注ぎます。(蓋をしっかりと押さえてください。そうしないと中身をぶちまけてしまうことになります。)
レモンの皮を切り取って絞ります。
マティーニの完成です。
自分でつくったマティーニは想像以上にうまかった
飲んでみるとまずジンのドライさを感じますが、その後にオレンジの花が咲いたような華やかな風味をほのかに感じることができました。ジンはやはり冷凍庫でキンキンに冷やした方が味が引き締まります。レモンの香りもしっかりとしており、最後の一振りは省略しない方がいいようです。
自分でつくったマティーニは想像以上に美味でした。
自宅でマティーニを楽しんでみよう
辛いマティーニを好み、ベルモットの瓶を眺めながらストレートでジンを飲んだというチャーチル、戦場でもジンとベルモットの瓶を持ち歩き、自分の口をミキシンググラス代わりにしてマティーニを飲んだヘミングウェイ等々、多くの著名人が様々な逸話を残してきたカクテルです。
長引くコロナ禍で外で飲むことがはばかられる社会情勢の中で、銀座のバーなどへ行かずに自宅でマティーニを楽しんでみてはいかがでしょうか。
尚、今回のレシピは「カクテル完全バイブル(渡邉一也著)」を参考にしました。