サントリーオールドは独特な形状のボトルでも知られたウイスキーです。現在でもジャパニーズウイスキーを代表するブランドで、水割りが一番うまいようです。
ボトルのデザインが印象的
サントリーオールドは角瓶と並んでサントリーの代表的なブランドとしてその名を知られ、その独特な形状のボトルから「ダルマ」とも呼ばれています。
オールドと言えばやはりこのボトルのデザインが印象に残ります。1950年の発売開始からほとんど変わっていないと思いますが、その上質感・高級感は現在でも立派に通用します。芸術的と言ってもいいのではないでしょうか。
ダイニングの戸棚の中にある父親のオールドを盗み飲みしたのが私の酒の初体験で、私にとって原点と言えるウイスキーです。
庶民には無縁の高級ウイスキーだった
1937年に後に角瓶と呼ばれる「サントリーウヰスキー12年」を発売することでウイスキー事業での成功を手にした壽屋(現サントリー)はさらに新商品の開発を進め、1940年に誕生したのがサントリーオールドです。しかし戦時中であったことから販売はできず、戦後復興の最中であった1950年に満を持して世に送り出されました。
山崎蒸溜所のシェリー樽原酒が核となったオールドは庶民には縁の遠い高級ウイスキーで、「今は飲めなくても係長になったら角瓶を、課長になったらオールドを」と言われるほどの存在でした。しかし経済成長を背景として徐々に世の中に浸透します。
高度成長期には高額の税金がかる輸入ウイスキーに代わる存在として売れに売れ、最盛期には日本のウイスキーの売り上げの四分の三がオールドだったといいます。
混ぜものだらけだった時代もあった
ウイスキーは仕込んでから製品になるまで時間のかかる商品であり、売れたからといって急に増産できるものではありません。オールドが急増する国内需要をカバーできたという事の裏には黒歴史といってもよい事実があったようです。
1981年当時のサントリーの内部資料によるとオールドの成分構成としてはモルト27.6%、穀物アルコール45.1%、水26.1%、甘味果実酒0.8%、リキュール0.6%、カルメラ0.6%だったといいます。穀物アルコールは樽貯蔵されていませんから本来ならウイスキーと呼んではいけないものでした。そしてウイスキー本来の色と味わいを出すためには着色や風味付けが必要でした。
ブレンデッドウイスキーとはモルトウィスキーとグレーンウイスキーをブレンドしたものですが、サントリーでグレーンの製造ができるようになったのは知多蒸留所が稼働する1972年以降です。グレーンの熟成が進む1980年代まではまともなブレンデッドウイスキーを製造できる体制ではなかったと言えるかもしれません。
オールドが増大する国内のウイスキー需要に耐えうる唯一の銘柄だったということにはこのような事情があったようです。
外圧により2度にわたり酒税法が改正され、品質の良い輸入ウイスキーがこれまでより低価格で流通するようになります。それに対抗するためオールドは改良を重ね、原酒のブレンドを見直すことにより初期のオールドに近い味に回帰しました。原材料名も「モルト、グレーン」のみとなっています。
いろいろあったのは事実として、それでもオールドは角瓶と並んでジャパニーズウイスキーを代表するブランドと言っていいでしょう。
水割りが一番うまかった
サントリーオールドを5通りの飲み方で試してみました。どうやら水割り(ハーフロック)が一番うまいようです。
ストレート
濃厚ですが意外とまろやかで柔らかな味わいです。ストレートで感じがちなガツンと来る強烈さのない、いかにも日本のウイスキーです。
ロック
氷が入ることにより、すべてにバランスが取れた上に柔らかさが加わってしっとりとした味わいとなりました。スッキリとした爽やかな甘さです。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は南アルプスの天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
全体的にふんわりと柔らかな味わいで、洋菓子のような甘さです。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
ひたすらすっきりとした、「これぞ水割り」とでもいうような味でした。全ての飲み方の中ではハーフロックが一番良いように思います。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているようです。
ほろ苦さと甘さがマッチしてシャキシャキした爽すっきり爽やかな味わいとなりました。
ハイボールよりも水割りが美味い
5通りの飲み方を試してみましたが、「水と生きる」サントリーという事もあってなのかハイボールよりも水割りがうまい飲み方であると思います。
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