オールドパー12年を5種類の飲み方で評価しました。試行錯誤を重ねて開発した技術により19世紀後半に完成されたウィスキーで、シルクのような滑らかな口当たりが印象的でした。
伝説的人物「トーマス・パー」に由来した名前
オールドパーはグリーンリース兄弟によって19世紀後半に生み出されたブレンデッドウィスキーで、唯一無二のウィスキーを目指して試行錯誤を重ねてようやくたどり着いた理想のブレンドです。
試行錯誤を重ねて開発した最高の技術で完成させたウィスキーですから末永く世に広めたいと思うのは当然のことです。そこで80歳で初婚1男1女をもうけ、105歳で別の女性と不倫して相手を妊娠させ、122歳で再婚して152歳まで生きたという伝説の人物トーマス・パーにあやかり「オールドパー」と名付けました。波乱にとんだ彼の長い生涯を「ウィスキーの熟成」に、152年の生涯をかけて培われた知恵と経験を「ブレンド技術」になぞらえて名付けたと言われています。
ちなみにオールドパーが日本にやってきたのは明治になってまだ日の浅い1873年頃で、日本に初めて伝わったスコッチウイスキーとされています。海外視察のため欧米諸国を旅していた岩倉使節団が持ち帰って明治天皇に献上しました。
かつてのオールドパーが12年になった
オールドパーの歴史に変化が生じたのが2015年で、日本向け新商品としてオールドパーシルバーが発売開始されました。「〇〇年」という表記のないノンエイジタイプであり、年数表記がないものなので若い原酒も使っていると思われます。
2019年になるとさらにリニューアルが加えられ、それ以降オールドパーシルバー・オールドパー12年・オールドパー18年の3商品体制となっています。さらなるリニューアルといっても新たに誕生したのは18年だけで、シルバーはラベルの変更のみ、そして明治天皇も飲んだであろう伝統のブレンドはそっくりそのまま12年になり、こちらもラベルが変わっただけとなります。
尚、オールドパーのラベルには画家のルーベンスが描いたトーマス・パーの肖像画と生没年が記されています。
かつて私の実家の向かいにはいかにも大金持ちっぽい大邸宅があり、そこの当主が亡くなった際に「葬儀で大勢の人が集まってご迷惑をかけるかもしれない」とあいさつがありました。その際の手土産がオールドパーだったことだけを覚えているのですが、親に伝えることなく一人で飲んでしまったそのウィスキーは今でいうオールドパー12年だと思われます。
スコッチウイスキーの世界
オールドパー12年の特徴とおすすめの飲み方
ストレート
甘い香りです。40度にしては強さを感じましたがピリピリ感は全くなく、滑らかでシルクのような口当たりです。強めのフルーティーさを感じました。
ロック
スルスルとのどを滑っていきます。すっきりとした味わいでフルーティーさがさらに花開きましたが、甘さとともにスモーキーさに似たほろ苦さも感じました。
水割り
次いで水で割ります。合わせる水は横浜市の水源のひとつである道志川の清流水を詰めた横浜市オフィシャルウォーター「はまっ子どうし The Water」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
口当たりが一層柔らかくなり、甘さと香りが膨らみました。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
しっとりとしており、甘さに加えてそこはかとないスモーキーさがありました。「これぞ水割り」という印象です。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった私好みの炭酸水を使用します。
シャキシャキしており、甘さの中にほんのりドライさがありました。
シルクのような口当たりが印象的だった
歴史と伝統のあるオールドパーはやはり一味も二味も違いました。全体としてはやはりあのシルクのような口当たりが特に印象に残っています。
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