オールドパーは152歳まで生きたという英国の伝説の農夫の名に由来しており、日本人にとって超高級酒の代名詞的存在のウィスキーです。その中でもオールドパーシルバーは特に日本市場限定商品として発売されたもので、飲んでみるとハイボールが最も良かったように思います。
英国史上最長寿の伝説の農夫の名に由来
オールドパーはイギリスのマクドナルド・グリンリース社が製造するブレンデッド・ウィスキーで152歳まで生きたという伝説の農夫「トーマス・パー」にちなんで名付けられています。
創業者のグリンリース兄弟は当時ロンドンで人気を博していたウィスキーを末永く後世にまで届けたいと考え、英国史上最長寿「パーじいさん」の名を冠しました。
現在ではスコッチを代表する超高級酒として知られています。
超高級酒だったオールドパー
オールドパーは明治維新直後に欧米に派遣された岩倉具視率いる使節団が持ち帰って明治天皇に献上した酒であり、かの吉田茂が愛飲した酒でもありました。
徹底した一流好みだった吉田は外交官としての長い英国暮らしの中でスコッチ好きとなり、もっぱらオールドパーを飲んでいたといいます。実務能力の高い官僚出身の政治家を数多く育てた吉田は「門下生」とグラスを傾ける機会も多く、吉田からオールドパーを振舞われるとそれは気に入られたことを示していました。後年、初めて大磯の吉田邸を訪問した田中角栄にも振舞い、以後田中は生涯オールドパーを愛飲しました。
ちなみに私が初めて飲んだのは大学生の時です。当時実家の向かいには大金持ちの大邸宅があり、そこの当主が亡くなった際に親族の方があいさつに来られました。「葬儀で大勢の人が集まってご迷惑をかけるかもしれない」ということで、玄関先で渡された手土産がこのオールドパーだったのです。
そんなことを親に伝えるはずもなくこっそり自分一人で飲んでしまいましたが、それまで飲んでいた酒と全くレベルが違っていたことだけははっきりと記憶しています。
日本市場限定商品として開発された「シルバー」
超高級酒としてのオールドパーについて延々と記してきました。しかしこれらはすべて「オールドパー スーペリア」で、今回ご紹介するのは日本市場限定商品として2015年に発売された「オールドパーシルバー」です。
ハイボール等のカクテルとして飲まれることを想定してブレンドされており、「スーペリア」と比べても価格面で随分とお得になっています。
ラベルの右上に何やら人の顔が浮かび上がっており、これはルーベンスの手による「トーマス・パー」の肖像画です。
ストレート
滑らかな口当たりで、スコッチ特有のスモーキーさはなく全体的にまろやかな味わいですが、若干辛さも感じました。記憶の片隅に残っている「オールドパー」とはやはり全然違っています。
ロック
サラサラした口当たりです。辛さの奥にほんのりと香ばしさが感じられるようになりました。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は箱根の森の天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
口当たりが柔らかくスイスイ飲めます。そんな中にもしっかりと辛さはあり、またほんの少しの香ばしさがありました。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
スッキリとしたドライという印象です。
ハイボール
某元グルメタレントのCMで有名なソーダストリームを使用してつくった完全に私好みの炭酸水を使用します。
口当たりがシャープになりました。ドライさに炭酸の甘み・酸味・シュワシュワ感が加わることにより一気に引き締まり、切れ味鋭い味になりました。
意外にもハイボールが最も良かった
価格的に求めやすくなったとはいえやはりオールドパーには超高級酒という印象が強く、ハイボールなんていかがなものかという印象が当初はありました。しかし様々な飲み方を試してみるとこれが最も良く、実に意外でした。
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