今回はロンドン・ドライ・ジンのタンカレーをご紹介します。緑色の独特な形状のボトルが印象的な酒で、4回蒸留という独特な製法でよりシャープな味と香りとなっていました。
4回蒸留という独特な製法で作られたジン
タンカレーは店の棚に置かれているだけでとにかく目立つ酒で、たとえ飲んだことはなくても存在だけは知っているという方は多いのではないかと思います。(私がそうでした。)
1830年にチャールズ・タンカレーが若干20歳でロンドンのブルームズバリーに蒸溜所を設立したのがタンカレーの起源で、「今までにない高品質のジンを創る」という強い信念から4回蒸留という独特の製法を誕生させました。アルコールの純度を上げるために3回、そしてジュニパーベリー、コリアンダー、アンジェリカといった香味植物の香りを付けるために1回、計4回の蒸留を行なうことにより、薬草のシャープな味と香りを作り出しています。
チャールズ・タンカレーの死後も蒸留所は一族に受け継がれ、「世界で6人だけが知っている」と言われる製法やレシピは門外不出で、180年以上にわたって守り続けられているといいます。
独得な形状のボトルはシェーカーをモチーフにしていた
タンカレーといえば緑色の独特な形状のボトルがまず思い浮かぶのではないでしょうか。
酒というよりも理科室の戸棚の中の実験用薬品をイメージしてしまうその形状は実はカクテルのシェーカーをモチーフにしたもので、ボトル中央の赤いTマークの刻印は製品を保証するという意味で付けられたものです。
タンカレーの独特の味わいからプレミアムジンと呼ばれるようになり、現在では英国王室の厳しい審査と認定を受けた王室御用達マーク「ロイヤルワラント」を贈られています。ちなみにロイヤルワラントは5年ごとに再審査が行われ、品質が基準に満たない場合は取り消されてしまうそうです。
薬草のシャープな味と香りが印象的だった
ビーフィーターと同様に一晩冷凍庫に入れてキンキンに冷やしてみました。
ストレート
薬草のシャープな香りが印象的です。アルコール度数は何と47.3度もありますが、トロリとした口当たりでスイスイ飲めます。甘さはほとんどなくドライの一言です。
ロック
口当たりはトロリとしたままです。シャープなドライさは変わりませんが、ほんのりとした甘さが感じられるようになりました。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
サラリとした口当たりです。味も香りも柔らかくなりましたが、やはりドライなままでありロッの時に感じたほんのりとした甘さは消えました。
ジントニック
ジンをトニックウォーターで割ります。ジンの持つ薬草風味、トニックウォーターの甘みや酸味、それぞれ全く違う味が混ざることによりお互いに引き立てあい、全体として引き締まった絶妙な味の飲み物になりました。ライムを絞るとさらにいい感じになります。
ジントニックで全く別物になった
生涯で2種類目のジンということになり、ビーフィーターよりもさらにシャープでドライな味わいだったと思います。ジン単独で飲んだ場合とジントニックで飲んだ場合の全く別物と言っても良い味の変化は驚くべきものがありました。