ティーチャーズハイランドクリームを5種類の飲み方で比べてみた結果、その独特なスモーキーさが特に印象に残りました。ハイランドクリームは「究極の安くてうまいウィスキー」と私は評価します。
「ハイランドの精華(クリーム)」
ティーチャーズハイランドクリームはグラスゴーを拠点にショットバーのチェーン店を展開していたウィリアム・ティーチャーが1860年に誕生させたスコッチウィスキーで、ハイランド・モルトの粋を集めて絶妙なブレンドをほどこした「ハイランドの精華(クリーム)」という意味で「ハイランドクリーム」と名付けられています。
もともとは彼がバーで提供していた独自のブレンデッドウィスキーが評判を呼び、他の酒屋からも注文が入るようになったのが始まりだったと言います。
ウィリアム・ティーチャーが優秀なブレンダーだったことや誠実な性格だったことから「先生のスコッチ」という名前が付いたという説もありますが、現在では彼が自分の名前をそのままラベルとした説が有力です。
キーモルトはアードモア
ウィリアム・ティーチャーの死後も彼の精神と技術は二人の息子に受け継がれ、蒸留所を完備してブレンドまで自社で一貫して出来る体制が整備されました。
ティーチャーズハイランドクリームはスコットランド北部のアードモア蒸留所で製造された原酒をキーモルトとしています。蒸留所のあるハイランドのセントフォーカスは潮風の影響がなく、そのためここで採れるピートを使用した原酒は独特なスモーキーさを帯びています。
1878年にニュージーランドへの輸出が成功するとその後はヨーロッパ・西インド・アジアといった世界各地へ出荷されるようになり、その際に原酒を入れた樽を船のバラスト(バランスをとるための重り)として積み込んだといいます。重量のあるウィスキー樽は重りとして最適であり、一方で長い航行期間は熟成を進めるのにうってつけでした。さらにこれによって貯蔵庫のスペースを節約することもできました。
現在では英国内のウィスキー売り上げ第2位の座を獲得し、150ヵ国以上に輸出されている世界最大級のウィスキーブランドとなっています。
ティーチャーズハイランドクリームの飲み比べの評価
ストレート
強めの香りがグラスの中にたまっており、飲んでみると分厚い甘さと力強くどっしりとしたスモーキーさがありました。しっかりとしたコクと滑らかな口当たりも印象的でした。
ロック
氷を入れて冷やしたことによりしっとり感が出てきました。スモーキーさはそのままで、甘さが強まったように思います。
水割り
次に水で割ります。
合わせる水は「箱根の森の天然水」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない)
水を加えることによりサラリとした飲み心地となり、スムーズに喉に流れてこんでいきます。甘さが際立つ一方でスモーキーさがふんわりとしたものとなりました。
ハーフロック(1対1で氷を入れる)
スモーキーさがかなり弱まり、やたらスッキリしています。他の飲み方と比べ、ガラッと印象が変わりました。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているようです。
炭酸で割ることでシャキシャキ感が出てきました。甘み・酸味・ほろ苦さのハーモニーを楽しむことができます。
究極の「安くて美味いウィスキー」
ティーチャーズハイランドクリームは当ブログを立ち上げたときは1本千円台前半でしたが、現在では千円を切っているのが普通で800円台という事例も珍しくはありません。これまで様々なウィスキーを飲んできましたが、究極の「安くて美味いウィスキー」であると私は評価しています。
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