トマーティンレガシーはインバネス郊外の小さな村にある、現在は宝酒造が所有する蒸留所でつくられています。ウィスキーにとって最適な環境でつくられており、ドライでスモーキーな力強く分厚い味わいが印象的でした。
最適な自然環境にあったトマーティン村
トマーティンレガシーはハイランド地方のトマーティン蒸留所で製造されたスコッチウィスキーです。インバネスから南に約25kmのところにある、人口約500人の小さなトマーティン村に蒸留所は位置しており、「ネッシー」で有名なネス湖の近くで周囲に伝統的なスコットランドの風景が広がっていることもあり、休日ともなると世界中から観光客がやってくるそうです。
「トマーティン」とはスコットランドの古語である「ゲール語」で「杜松(ねず)の木の茂る丘」を意味しており、標高315mというスコットランドの中でブレイヴァル、ダルウィニーに次いで3番目の高所にあるモルト蒸留所です。
村を流れる小川はモナリアス山系の複雑な地質で磨かれて流れ出たもので、程よい軟水であることからウィスキーの仕込み水として最適です。また良質のピートを産出し、気候にも恵まれていることから、トマーティン村はウィスキーづくりに最適な自然環境にあったといえます。
蒸留所のオーナーは宝酒造
トマーティン村はかつて南部に向けて家畜を運ぶ人々の休憩ポイントで、その際にウィスキーを補充する地点でもあったため、古来よりウィスキーが密造されてきた地域でした。
インバネスの実業家の手によって蒸留所が創建されたのが1897年ですが、わずか9年後の1906には経営不振により閉鎖に追い込まれてしまいます。1909年に再開してからは運営も好調で20世紀後半にはグレンリベットと肩を並べるほどの生産量を誇るまでになりましたが、1980年代に入って過度の設備投資と不況により倒産し、現在は日本の宝酒造によって買収されました。
トマーティンレガシーは熟成年数が表記されないノンエイジボトルで、バーボン樽熟成の原酒とアメリカンオークの新樽で熟成した原酒を混ぜ合わせて作られています。スコッチの熟成で新樽を使うことは大変に珍しいのですが、慎樽はタンニンやラクトンといった木の成分がより多く原酒に溶け出し、その分だけ従来とは異なる味わいとなります。
アルコール度数は43度で少々高めです。
ストレート
ドライでありながらスモーキーで、どっしりとしたボトルのイメージ同様に力強く分厚い味です。
ロック
強いスモーキーさはそのままで、ドライさもそのままですが甘さも感じられるようになりました。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は箱根の森の天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水で割ることにより味が分かりやすくなり、ドライですもーきでありながらほんのりとした甘さがはっきりとしてきました。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
サラサラした口当たりで、スモーキーさが弱まってドライが目立つようになりました。
ハイボール
上戸彩さんのCMで有名なソーダストリームでつくった私好みの炭酸水を使用します。
スモーキーさに炭酸の酸味と甘みが加わることにより柑橘系の味わいになりました。バランスが取れていて意外にいけます。
力強く分厚かった
色が優しい琥珀色なので優しい味かと思いましたが、飲んでみると全く違った力強く分厚い酒でした。なかなか手に入りづらいウィスキーではありますが、見つけたら購入することをお勧めします。
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