秋田のブラックストーンは日本酒造りの工程で発生する酒粕を原料とした焼酎で、「5年貯蔵41%」は強靭な甘さを伴った味と香りが印象的でした。
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「酒粕焼酎」を知っていますか?
焼酎の原料としては芋・麦・米・黒糖・そばが知られており、国税庁の調査によるとこの5種類だけで全体の99%を占めているといいます。その中でも芋焼酎が53.4%で麦焼酎が38.5%ということなので、焼酎といえば「芋ですか?麦ですか?」という展開になるのはしかたないかもしれません。
そんな中でもマイナーな存在でありながら、一度飲んだら忘れられないインパクトがあったのが「酒粕焼酎」です。
日本酒のような味と香りの酒粕焼酎
酒粕は日本酒造りの工程においてもろみを絞った際に残った固形物で、8~10%ほどのアルコール分が含まれています。米の栄養分やアミノ酸などの旨味成分も豊富であるため、酒粕焼酎は日本酒のような味と香りを感じられるのです。
製造にあたっては吟醸や大吟醸の日本酒を造る時に生まれた酒粕を使用し、そこに再度水と酵母を加えて再発酵させてから蒸留します。これによりフルーティーな吟醸香を残したまま、日本酒に近い焼酎を造ることができます。
有楽町の交通会館で再会したブラックストーン
「ブラックストーン」は秋田県醗酵工業株式会社が製造販売する酒粕焼酎です。「5年貯蔵41%」は吟醸酒などの酒粕と米麹を使用しており、5年間熟成させた原酒をアルコール分41%に仕上げました。
昨年2月に稲庭うどん食べ歩きで秋田を訪れた際に見つけたもので、日本酒といえば寒い地域の酒で焼酎はその逆というイメージがあっただけに意外でした。しかも焼酎にありがちな20%とか25%ではなく41%です。実際に飲んでみてスッキリとした味わいに驚かされました。
実に印象深い酒でしたが、秋田はそうむやみに行ける場所ではなくそれっきりとなってしまったのが残念です。しかし年末に有楽町の交通会館にある徳島と香川のアンテナショップを訪れたところ隣がなんと秋田のアンテナショップであり、そこでブラックストーンに再会することができました。
秋田名物の稲庭うどんの名店
強靭な甘さを伴った味と香り
酒粕焼酎を飲むのは初めてで、一口飲んだだけで芋や麦との違いが分かりました。
ストレート
まるでシロップのような、濃厚で強い甘さに驚かされました。トロトロした口当たりで、口の中に長く余韻が残ります。
ロック
氷を加えると甘い香りが広がりました。焼酎にありがちなクセは全くなく、異様にスッキリした甘い液体がスルスルとのどに流れてきます。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水を加えたことでしっとり感が増し、香りがさらに開きました。口当たりが一層なめらかなものとなり、甘さがふんわりとしてきました。
ハーフロック(1対位で氷を入れた水割り)
イチゴを思わせるフルーティーな甘さで、一方で氷砂糖の甘さにも感じられました。氷砂糖がフルーティーかと言われると何とも言えませんが、水で割っても崩れない強靭な甘さであることは間違いありません。
お湯割り
お湯割りを作る際は「お湯→焼酎」の順番で注ぐと比重の関係で良く混ざるといいます。熱が加わったことで香りがさらに広がり、甘さもよりなめらかになりました。
東北でも焼酎を楽しめる
はっきりいって衝撃的な味わいの酒でした。秋田や新潟といった日本海側の地域は日本酒王国というイメージがありますが、実はこんな焼酎もあったのです。九州や沖縄だけでなく、東北の焼酎も飲んでみてはいかがでしょうか。
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