「山陰」は鳥取県倉吉市の蒸留所で誕生したジャパニーズウイスキーです。伯耆富士「大山」の大自然の中で生み出され、柿を思わせる甘さとほろ苦さが印象的でした。
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日本の地名を冠したウイスキー
日本のウイスキーは長らくサントリー・ニッカ・キリンといった大メーカーによる独占状態にありましたが、近年は大小さまざまなメーカーがウイスキー造りに挑戦するようになりました。その結果として国内各地でそれぞれの気候・風土に根付いた「地ウイスキー」というものが誕生し、酒屋の棚にも全国の地名を冠したボトルが数多く並ぶようになっています。
地ウイスキーにおいては焼酎や清酒の造り酒屋が参入している事例が多く、1980年頃からブームが始まったようです。㈱ベンチャーウイスキーによる秩父蒸留所の設立(2008年)やNHK連続テレビ小説「マッサン」(2014年)の影響もあって流れが加速し、現在では北海道から沖縄まで全国で30社以上のメーカーが個性的な味わいのウイスキーを造り続けています。
そんな地ウイスキーの一つが「山陰」です。
大山の自然が生み出したウイスキー
「山陰」を製造・販売しているのは大阪府に本社を置く松井酒造です。1910年に設立された酒と醤油の醸造会社を起源としており、鳥取県倉吉市にある同社の蒸留所では「倉吉」「鳥取」「山陰」など地元にちなんだ商品名の「マツイウイスキー」ブランドを販売しています。
倉吉蒸溜所を構える鳥取県倉吉市は「暮らしよし」が地名の語源となったと言われるほどの街です。
倉吉は「伯耆冨士」と呼ばれる大山の山麓に位置しています。山に降り積もった雪が上質な天然水となって豊富に湧き出ており、これは仕込み水として欠かせません。さらに日本海側の特徴である寒暖差の激しさは原酒の貯蔵・熟成に最適であり、これ程ウイスキー造りに向いている場所はそうはないでしょう。
ちなみに東京と出雲市を結ぶ寝台特急サンライズ出雲では、進行方向右手に大山が見えてくると車掌が車内放送で案内してくれます。(上の写真はサンライズ出雲の個室内から撮影したものです。)
そんな倉吉で誕生した「山陰」は評価も高く、世界で最も権威のある酒類品評会「International Spirits Challenge 2023」において金賞を受賞するまでになりました。そんな「山陰」をいつも通りの飲み方で試してみます。
地名を冠したウイスキー(記事は下に続きます)
ストレート
口当たりはしっとりとしていますが、一方で濃厚なコクも感じられました。全体としては強めで、甘さの中にほろ苦さがありました。
ロック
口当たりこそスッキリとしていたものの、味は複雑で様々な要素が感じられました。甘さよりもほろ苦さが前面に出てきたようです。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は南アルプスの天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
水を加えたことで一気に柔らかく滑らかになりました。ほろ苦さが弱まって柿っぽくなったと思います。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
スッキリさらさらしていて、雑味が全て流れてしまったように感じました。本当にスッキリとしていますが、そんな中にもほろ苦さだけはちょっとだけ残っています。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているように感じています。
メーカーが一番勧めたい飲み方のようです。炭酸の酸味がウイスキーのほろ苦さと中和されたようで、いい具合の甘さとなりました。
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