カネマラはピーテッド麦芽を使用したアイリッシュウイスキーで、「アイリッシュの革命児」と呼ばれるクーリー蒸留所で製造されています。5通りの飲み方を試してみて、柔らかな甘さとスモーキーさが印象に残りました。
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「コナマーラ」か「カネマラ」か?
「Connemara」はアイルランドの地名であり、アイリッシュウイスキーのブランド名でもあります。
地名としては「コナマーラ」と発音するのが一般的なようで、アイルランド北西部に位置する国立公園で有名な地方のことを指します。入り組んだ海岸線や湖に囲まれた荒涼とした原野が広がっており、スコットランドと同様にピートが採掘できる地域です。
一方ウイスキーのブランド名としてはもっぱら「カネマラ」と表記されており、ピートでいぶして発芽を止めた麦芽と近隣の山から湧き出た軟水を使用して仕込んでいます。
ピーテッド麦芽を使用したアイリッシュ
アイリッシュといえばピートを使用していないウイスキーというイメージが一般的ですが、18世紀末まではスコッチと同じ製法だったといいます。しかし19世紀になって産業革命が進行するとアイルランドのウイスキー産業は巨大化し、もはやピートを燃やして細々と生産している状況ではなくなりました。
この頃はウイスキーと言えばアイリッシュの時代であり、こうして石炭や木材を燃料として使用した「スモーキーではない」ウイスキーがアイリッシュとして世界に広まったのです。
そんな中でもカネマラはピートでいぶした麦芽(ピーテッド麦芽)を使用して製造されたウイスキーであり、ピートの産地であるConnemaraを懐かしんで名付けられました。現地の美しい自然は箱にも描かれています。
「アイリッシュの革命児」によるウイスキー
カネマラを製造しているのは北アイスランドとの国境間近の地にあるクーリー蒸留所で、スピリッツやアルコール燃料を製造していた工場をクーリー社が買収し、ポットスチルを設置して1989年からウイスキー製造を始めました。現存するアイルランド最古の蒸留所の名を冠した「キルベガン」も現在はこちらで蒸留されています。
歴史が浅いにもかかわらず国際的なコンテストでの入賞暦も多く、クーリー社は「アイリッシュの革命児」とまで称されるほどの存在となっているのです。
カネマラを5通りの飲み方で評価してみた
ストレート
味も香りも甘くスモーキーです。香ばしく力強い味わいでありながら滑らかな口当たりで、全体的には窓やかな味に仕上がっています。
ロック
氷で冷やすことにより甘さと香ばしさが引き立ち、滑らかでありながら引き締まったスモーキーさが感じられるようになりました。全体的にしっとりとしてきたように思います。
水割り
次いで水で割ります。合わせる水は南アルプスの天然水です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない水割り)
甘さとスモーキーさが柔らかくなり、分厚さはあるものの滑らかな口当たりになりました。ジョニ黒のような味わいでスイスイ飲めます。
ハーフロック(1対1で氷を入れた水割り)
スッキリ・爽やかなスモーキーさが感じられました。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているようです。
炭酸とウイスキーのスモーキーさが見事にマッチしていました。酸味とほろ苦さのバランスがちょうどよかったと思います。
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