バーボンウィスキーのメーカーズマークは45度というアルコール度数からくる強靭でありながら口当たりの良い味わいが印象的で、ロックにしたときのバランスの良さが最高でした。※2018年6月28日作成、2024年10月1日改定。
- サミュエルズ家の執念が誕生させたメーカーズマーク
- ハンドメイドの少量生産であることをラベルで宣言している
- ラベルのロゴマークに込められた意味
- 赤い封蝋には職人の癖が現れる
- ストレート
- ロック
- 水割り
- ハイボール
- ロックのバランスの良さが最高
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サミュエルズ家の執念が誕生させたメーカーズマーク
メーカーズマークはイギリスからの移民をルーツとするサミュエルズ家が誕生させたバーボンウイスキーで、「アメリカで最も小さい」といわれる蒸留所で昔ながらの手作りで少量生産していることを特色としています。
初代であるロバート・サミュエルズがケンタッキーに移住して自家用ウイスキーづくりを始めたのが1780年で、1840年に3代目が蒸溜所を設立して本格的なバーボンウイスキー製造を開始します。しかし1920年施行の禁酒法による操業停止などの影響もあり、なかなか軌道に乗りませんでした。
しかし6代目のビル・サミュエルズが特別なバーボンをつくることを決意します。廃墟となった田舎の蒸留所を見つけて修復して試行錯誤を重ね、ついに1959年にこれまでと全く異なるやり方で全く新しいバーボンを完成させました。
こうして誕生したバーボンに「メーカーズマーク」という名をつけたのはビル・サミュエルの妻マージで、「錫細工職人たちは(makers)は自分が納得のいく作品にしか刻印(mark)しない」ということに由来します。
ハンドメイドの少量生産であることをラベルで宣言している
メーカーズマークはバーボンウィスキーの代表的な銘柄ですが、「アメリカで最も小さい」といわれる蒸留所で昔ながらの手作り少量生産を特色としています。
個々の蒸留で19バレル以下しか生産しないことをラベルにも明記しています。少量生産にすることで、ウィスキー造りをするために必要な技術と設備の全てにこだわりを持つことができるということですが、「choosy(えり好みして、やかましくて、気難しい)」という言葉が印象的です。
ラベルのロゴマークに込められた意味
メーカーズマークのラベルには独特なロゴマークが描かれています。味わいに対する誇りを示すために全てのボトルに記すと、これもまたラベルに明記されています。ロゴマークは星が「S」「Ⅳ」の周りを一周しているようなデザインで、ここには様々な意味が込められています。
星マークは、現在の蒸溜所がある場所に元々あった、スターヒルファームという農園に由来します。
「S」は創業家であるサミュエルズ家の頭文字、「Ⅳ」は本格的なウィスキー事業を始めた3代目からメーカーズマークを生み出した6代目までの過去4代の当主を示しています。
「S」と「Ⅳ」を囲む円には四つの切れ目がありますが、バーボンの生産が止まっていた時期を表しているという説が有力で、「南北戦争」「禁酒法時代」「第一次世界大戦」「第二次世界大戦」を示しているといわれています。
赤い封蝋には職人の癖が現れる
メーカーズカークのシンボルともいえる赤い封蝋は大切な人へ出す手紙や小包を蠟で封じることに由来しており、熟練スタッフが1本1本手で仕上げるなど大変な手間がかかっているものです。
手作業であるため同じ形のものは一つとして存在しないといいますが、この封蝋にもいくつかのパターンがあり、職人ごとの癖を見つけて楽しむというマニアックなファンもいるようです。
個性的なバーボン
ストレート
琥珀というよりもむしろ赤といっていい程の色の濃さと強い香りが印象的です。濃厚で分厚いフルーティーさが感じられ、口の中がアルコールの刺激でピリピリしてきました。
ロック
氷を入れたことによりいい感じに柔らかになり、トロリとした甘さになりました。強い度数の裏に隠れていたフルーティーさがよくわかるようになり、ヌルっと飲めるようになっています。
水割り
次いで水で割ります。
合わせる水は「箱根の森の天然水」です。
トワイスアップ(1対1で氷を入れない)
香りが柔らかくなりました。まろやかで重厚なフルーティーさが感じられます。随分と飲みやすくなったように思います。
ハーフロック(1対1で氷を入れる)
当初の強靭さは完全に消えましたが、それでもフルーティーさは健在です。スッキリとした甘さとコクが感じられるようになりました。
ハイボール
合わせる炭酸はサントリーのトニックウォーターです。いろいろ試してみましたが、どうやらこれが私には一番合っているようです。
本来のフルーティーさを残しつつ、甘味や酸味が加わって味に深みが増しました。シャキシャキ感が素晴らしかったと思います。
ロックのバランスの良さが最高
45度という高いアルコール度数のせいか味も香りも強靭でしたが、その一方でピリピリしたところのない口当たりの良さが印象に残りました。ロックにした時のバランスの良さが最高だったと思います。
2000円台半ばで少し勇気の必要な価格帯ですが、たまにはこういうウィスキーを飲んでみたいものです。
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